2015年 02月 17日
<札幌・看板落下>腐食が原因、市へ点検報告怠る…女性重体 |
<札幌・看板落下>腐食が原因、市へ点検報告怠る…女性重体
毎日新聞 2月16日(月)23時33分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150216-00000080-mai-soci
札幌市の飲食店「札幌かに本家 札幌駅前本店」で看板の一部が落下し、直撃された女性(21)が意識不明の重体となった事故で、ボルトで外壁に接続されていた看板の根元部分が腐食していたことが16日、北海道警札幌中央署への取材で分かった。店は建築基準法で義務付けられている市への点検報告を怠っていたことも判明。同署は安全管理に問題があったとみて、業務上過失傷害容疑で関係者から事情を聴いている。【酒井祥宏、三股智子、日下部元美】
【イメージ図で再現】どこがどのように落下したのか
同署によると、落下した看板の一部は箱状で、重さは約25キロ。根元が外壁と接続する金属製の基礎と溶接されていたが、雨などの浸入で腐食していた。さらに、事故前に見つかっていた別の部品は、この看板と別の看板を固定する金属製の支柱(幅、奥行き各30センチ、高さ15センチ)だったことが分かった。支柱は15日午後0時40分ごろに落下。隣のビル関係者が見つけて店側に知らせたが、副店長の男性(43)は詳しく調べずに放置していた。
店によると、看板は開店と同時期の1985年3月ごろに設置。2013年12月に目視で点検したが異常は見当たらなかったという。一方、看板の劣化や損傷の状況は定期報告が義務付けられているが、店は昨年11月末の期限を過ぎても報告せず、市建築安全推進課が同12月に催促していた。札幌かに本家の日置達郎社長は、「外見で異常が無かったため大丈夫と思っていた。女性に迷惑をおかけし、本当に申し訳ない」と謝罪した。店は営業を自粛し、他の同型の看板も撤去する。札幌かに本家は名古屋市に本社があり、全国で店舗展開している。
事故は15日午後2時ごろ、看板の一部が約15メートル下の歩道に落下し女性の頭に当たった。
◇安全管理、設置者任せ…ガイドラインなく
札幌市道路管理課によると、看板などの広告物は条例で、形状により設置期間が15日~3年以内と定められている。継続申請時には基礎や取り付け部分、照明装置の老朽化や腐食など20項目を屋外広告士などの有資格者がチェックし、報告書を提出する。仮に異常が見つかれば補修などをしなければ継続許可が下りないが、継続や新規設置の申請後は具体的な点検期間、回数、方法などガイドラインはなく、日常の保守・点検は管理者任せとなっているのが現状だ。
看板業者などが加盟する札幌広告美術協会によると、看板の点検は通常、目視とハンマーでたたく「打音検査」などでボルトの緩みや接続部分の腐食、変形、破損程度を調べる。石川実理事長は「表面だけ見ても内部の損傷や腐食は見つけにくい」と説明する。
落下した看板の一部は箱状だったことから「内部に水が入り込み、たまり続けてサビたのではないか」と推測。「看板の取り付けや管理は安全第一でやらなければいけない。事故が起きて非常に残念だ」と話した。
ネオンなど屋外看板が多数ある札幌・ススキノ。飲食ビル運営会社は、「看板が落下する恐れは考えたことがなかった。事故を受け、看板や外壁に腐食がないか注意するよう指示した。われわれもより気を付けなければならない」と話した。【酒井祥宏、三股智子、久野華代】
by hinokawaz
| 2015-02-17 02:25
| 政治
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